マツダ車オーナーをさらに深いファンにしてしまう言葉、ファンでない方には「マツダ車に乗ってみたい」「そこまで言うなら乗ってやろうじゃないか」と思わせる言葉が満載の、マツダ藤原常務のインタビュー記事をご紹介。聞き手は毎度のフェルディナント・ヤマグチ氏。これだけの「語り」を引き出すインタビューは流石。安定感があります。
「我々は信じている。だから走り続ける」:日経ビジネスオンライン
第248回 マツダ・藤原常務インタビュー 東京編 最終回【!】
(フェルディナント・ヤマグチ氏の「10年後のマツダはどうなっているんですか」という質問に対して)規模的には増えてないという感じでしょうね。シェアとしてはね。今の生産台数がおよそ130万台。それが200万台くらいになっているというところでしょうね。シェアは変わらずに。多少はパイを取れたとしても、そんなに大きくシェアが伸びることはないと思っています。それよりも大事なことは、みなさんの心の中で、「何かマツダって面白い会社だね」と思って頂けることです。
「いくらマツダが走りだ何だと言ったって、そんなの伝わらないよね、難しいよね、もっと分かりやすい売り文句を考えたら? もうやめたら?」ずっとそう言われ続けてきたんです。(中略)私たちが信じているのは、例えばCX-5とかアテンザに乗って、5年、6年乗った人が、次のクルマに買い替えたとするじゃないですか。(中略)するとねぇ。たぶんショックを受けると思いますよ。心の中とか体の隅々に、既に「いい走りのクルマ」が浸み付いているわけですよ。
ウチは日本の5~6%のシェアしかないけれども、その5~6%の人たちは、すくなくともクルマに乗っているときは、みんな幸せで素敵な人生を歩んでくれると。それが徐々に広まっていって、7%になるか8%になるか。そんな増え方がいいのかなと思っています。
紹介はしていませんでしたが、この記事以外の過去のインタビューもワクワクしながら読めること請け合いですので、是非読んでみてください。
<過去記事一覧>フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える:日経ビジネスオンライン
2014年7月14日 安売りチラシをブルブル握りしめた朝 第247回 マツダ・藤原常務インタビュー 東京編 その3
2014年7月7日 販売力以上にモノを作ると、どうなるか? 第246回 マツダ・藤原常務インタビュー 東京編 その2
2014年6月30日 今は昔 400万台クラブといふものありけり 第245回 マツダ・藤原常務インタビュー 東京編 その1
など多数。ここまで延々とマツダのインタビュー記事掲載を許可した日経BPの担当の方、偉い!
「軸」を持たなかった日本の自動車メーカー
こういう「語り」は、日本のメーカーが苦手とするところ。というのも「語る」には、確たる「軸(=思想)」がないとできません。自分達の「軸」でもってお客様の声を取捨選択すればいいと思うのですが、その肝心の軸が無いから、すべての声をバランスよく取り入れ、八方美人で面白みのないクルマが増え、その結果がとにかく燃費重視、とにかく居住性、安全装備軽視、のようなクルマが溢れている現状に繋がっています。
軸がないと捨てられるものの典型が「安全装備」で、普段はお世話にならないし、効果も実感出来ないから、購入価格が高くなるなら要らないか、最低限でいいかと(販売店もお客様も)なる。お客さんが要らないって言っても、「お客様の安全を考えると絶対に必要なんです!」というメーカーとしての軸があれば、言葉は悪いですが、お客様を教育してでも装備したクルマを提供していこうと考えると思うんですよね。
方や、海外勢、特にドイツ勢を筆頭に欧州の自動車メーカーは語るのが得意です。彼らが過大評価されていると思う理由の一つが、その「情報発信力」で、戦略的にそういう取り組みをしているのはもちろん、そもそも「軸」を持っているから、どんどん「語りたい」んだと思うんですよ。さらに、メディアでモノを書く人たちも「語り」たい人たちな訳だから、そういう主張を持ったメーカーに魅力を感じる訳だし、記事も書きやすい、という「語り」の得意なメーカーには好都合な循環になっているのではないかと思う訳です。
「語り」で顧客を惹きつける会社になりつつあるマツダ
「主張が過ぎると押しつけがましい」って話もありますが、世界で戦うことを前提にすればまだまだ足りてないので、どんどんやるべきでしょう(残念ながら「マツコネ」に、その押しつけがましさを垣間見ることができますが!)
マツダは「語る」ことで、それに共感する人たちを確実に惹きつけるメーカーになりつつあります。ワールドカーオブザイヤーではトップは取れませんでしたが、きっと数年内には、この「語り」で取ってるんじゃないかなと、期待も込めて書いておきます(笑)
当店について、もっと詳しく知りたい!という方は以下をご覧ください!
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