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取り付け部の構造に問題のあるボンネットダンパー

先日、とある方に頼まれて海外から個人で輸入したというKF CX-5用のボンネットダンパーを調べました。動作に違和感があるのだが、大丈夫か?という話です。

結論から言うと、ディの鉄板を明らかにゆがめていることが確認出来て、さらにボンネットダンパー本体に無理な動作をさせて負荷を掛けているので、その場で取り外してもらいました。

原因は、ここの構造です。根元がこのタイプのボールジョイントネジだけになっていて、写真のワッシャーは付属品は小さくて不安だったので大きいものに交換したとのこと。アプローチは正しいのですが、このサイズのワッシャーでもボンネットダンパーの力を分散させ切れていなくて、このワッシャーを固定しているボディ側の鉄板がゆがんでました。写真だと分かりにくいですが、写真の向きでいうとワッシャー左側の方を中心に、やや凹んでます。ボンネットを開けるとこの部分は上側に引っ張られるので見た目上は軽減されているので、気付きにくい点だと思います。

で、閉じながら凹み方を見ると、ボンネットが閉まる直前だと5mmぐらい押し下げられています。つまりボンネットを開け閉めするたびに、5mm程度鉄板を伸び縮みさせているということになるので、繰り返すと金属疲労で穴が開いてしまう危険性があります。

さらに、もう一つ。このダンパー側のボールジョイント受け側の角度が最適ではないようで、開け閉めするときにダンパーのロッド部分がダンパーのケースに擦れて異音が発生しています。元々の相談内容は「ダンパーのゴゴゴっていう異音が気になる」だったのですが、まさに、これがその原因です。動作させる瞬間に音が発生するのは正常ですが、この個体は動作中1/3ぐらいは異音が発生し続けていました。よく見るとロッド部分にも擦れたあとがあり、変な負荷がかかっていることが分かります。これはダンパー本体のガス抜けの原因になります。

この個体の困った点は、「短期的には普通に使えてしまう」ということです。他のボンネットダンパーの動作具合や、この根元の取り付け構造は一般的なダンパーと比較して相当脆弱ということを知っていないと、異音もこんなものかと思う可能性もあるでしょうし、根元の鉄板のゆがみは「ここが危なそう」と思ってじっと見ないと気付かないでしょう。ダンパー自体の破損なら大した損失ではないですが、ボンネットを開けて作業している最中に落ちてきて怪我をするとか、車体が輪の鉄板に穴いてしまうようなことになると最悪です。似た固定方法のKF CX-5用ボンネットダンパーをご利用の方はご注意頂いた方がよいかと思います。

 



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