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エレクトロタップの接触不良の原因はコレ。少しの工夫で確実な接続を。

エレクトロタップは配線を簡単に接続できるので、当店でも利用しています。本当はギボシ端子で接続するのがいいのですが、それを常にお客様に要求するのはハードルが高すぎますので、エレクトロタップが使われているケースが多いでしょう。

ただ、エレクトロタップは接触不良のトラブルが多いのも事実。すべての配線サイズごとにぴったりのエレクトロタップが用意されているワケではなく幅を持たせて作ってありますし、また、被覆の厚さと芯線のバランスが「?」な配線もあるからです(世の中には「標準」ではない配線がいっぱいあります・・・)。エレクトロタップをやたら嫌う人もいますが、「使ってはいけない」部品ではありません。マツダの純正オプションでもエレクトロタップを利用する商品はありますからね。

ということで、今回は少しその接触不良による誤動作を減らすためのコツをご紹介します。

お約束の注意事項

本作業をご自分で実施する場合は、慎重に実施して下さい。配線を傷つける作業ですので、下手すれば配線を切断なんてことになりかねません。車両側だと目も当てられませんので、ご注意下さい!!

そもそも論

1.配線の太さにあったエレクトロタップを利用してください。配線の太さを測って、その太さに対応する適切なエレクトロタップを選ぶようにしましょう。

2.普通にカシメて普通に商品が動作しているならこの作業を敢えて実施する必要はありません。挙動不審だったり、そもそも動作しなかったり、という場合のみに実施するようにしてくださいね。この作業で、正常だったものがおかしくなったら本末転倒です。

以下は「配線の太さに合わせて適切なエレクトロタップを使ってるけど、それでも接触がイマイチ」と分かった時のみ実施して下さい

まずは、今回の作業用に、普通にカシメてみます。カシメます

かしめたあとのエレクトロタップを開けて配線の状態を確認する

今回は配線の状態を確認するため、いったん閉じたエレクトロタップを開けてみます。ニッパーやマイナスドライバーの先端等でこじ開けるようにすれば再利用可能な状態で開封することができます

・・・が、エレクトロタップに予備があるなら、再利用は避けるのが望ましいです。また、取り付けてから一定期間利用されているものの再利用は×です。素材が劣化していますので、再利用後に外れる・割れるなんてこともあります。

開封しますはい、ご開帳。一見、配線はねじ込まれていて、金属部分にちゃんと接しているように見えますが配線を引き抜いて見ると・・・

被覆の剥け具合この指アイコンの場所を見てください。被覆は確かに剥けていますが、接触すべき芯線部分の露出が少ないことが分かります。恐らくこの剥け方だと全く通電しないことはないですが、接触不良の挙動になると思います。課題はこの部分にありますので、この部分の露出を増やしてエレクトロタップの金属部分との接触面積を大きくすればトラブルは解消されます。

被覆をカッター等で剥いて芯線の露出を増やす

では、どうやって露出を増やすのか。簡単です。被覆を剥けばいいだけです。あとは、どういう方法で実施するか、ですが、例えばカッターで被覆を少し削って下さい。こんな感じ。

カッターで被覆を少し剥ぎますニッパーでも同様のことはできますが、芯線自体をカットしてしまう危険性があります。もしニッパーを使う場合は、カッター利用時以上に慎重に実施して下さい。この上の写真は既に被覆を削った状態ですので、芯線の露出が増えています。Afterの状態が下の写真。被覆の剥け具合After冒頭でご紹介した芯線の露出具合と比較すると、その露出度合いの違いがよく分かるかと思います。今回は分かりやすく広めに剥きましたが、実際はもっとピンポイントに狭い範囲(2mm程度)を削るだけで十分です。

Before、再掲。被覆の剥け具合

被覆を剥きすぎると今度は違うトラブルが生じる可能性も

注意して頂きたいのは、露出をただ増やせばいいというワケではない、ということ。被覆を剥きすぎると、この剥いた部分の強度が落ちて、断線の危険性が増します。また、被覆が薄くなって配線をエレクトロタップの鉄の部分に圧迫する力が弱まり、逆に接触不良が増えることもあります。

ちなみに、より細い芯線に対応したエレクトロタップを利用すれば被覆も余分に向けて、ちゃんと芯線に接するんじゃないの?と思った人もいるかもしれませんが、これと全く同じ話で、被覆が剥けるだけでなく芯線も余分にカットしてしまい、結果上記と同じトラブルになる可能性がありますので、オススメしません。

芯線の露出を確認したら元に戻す

被覆がある程度剥けていることを確認したあと、配線をエレクトロタップに戻します。金属への芯線の接触面積が明らかに増えているのが分かりますね。金属部分との接触写真だと配線が浮いていて不十分に見えますが、あとでカシめますので問題ありません。恐らく、これで殆どの場合の接触不良のトラブルを解消できると思います。挙動が怪しい、ということに悩んでいる方は、追加でエレクトロタップをペンチ等で強く挟むことを試すだけでなく、この作業も試してみてください。

余談

メーカーによっては、エレクトロタップによる上記のようなトラブルが多いので、そもそも利用不可にしているメーカーも多いです。「動作しない」という問い合わせがあっても、商品自体の不良なのか、エレクトロタップの問題なのかの見極めに一手間かかりますので避けたい気持ちも分かります。

ただ、そうしてしまうとギボシによる配線が必須となって、取り付けのハードルが一気に上がってしまう。メーカーとしてスタンスが明確に分かれるところでしょう。

このトラブルに泣かされている商品の代表格が、某社のウインカーレギュレーターだと実は思ってまして、エレクトロタップの接触を見直すだけで誤動作頻発!ムカツク!と怒り狂っている方の半分の商品レビューは素晴らしい!に変わると思います(笑) 特に常時挙動がおかしいのではなく時々おかしくなる、というケースは接触不良と見て間違いないでしょう。ちなみに、残り半分は安物LEDの利用、車との相性が原因と思います。

 

上記のやり方にも色々意見はあると思いますが、製品の特性を理解して、うまく製品が動作するように使って、楽しいマツダ車ライフを送りましょ~



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