先日からリークされた情報が出回っていた件、正式発表されました。プレスを読んでも分かりますが、具体的な話はなく、お互いを褒めて終わるというちょっと消化不良な会見でしたね。正確には「業務提携に向けて基本合意」ですから、何か遠い感じです(笑)基本契約は結んだ、個別契約はこれからという状況。個別契約は都度交渉&調整で、これからですから、まだまだ紆余曲折あるでしょう。
会見の様子はこちらで見ることができます。質疑応答では両社社長が自らの言葉で語っていて、ちゃんと「意志」を感じることが出来た部分で、そこは良かったのかなと。
【MAZDA】MazdaLiveTV!|マツダのクルマづくり
マツダが某国の競合に買われたり、技術提携して技術が流出したりするよりは、マツダにとっても日本にとっても良かったと思うので、両社がこのタイミングで近づいておくことは前向きに評価できるでしょう。マツダぐらい買える会社、欲しいと思っている会社はいくつか思いつきますし、現在の競争環境においてはどこかと何れ一緒にやらざるを得なかったでしょうから、いっそのこと資本提携にまで踏み込んで欲しかったような気もします。まぁ、それは今後の個別交渉で決まっていくことでしょう。
現在は絶好調なマツダですが、KODOのラインナップがほぼ出揃ったものの、次の一手が殆ど見えてきていません。 新車発売ラッシュの割りには登録台数が伸びないというジレンマも抱えています。もちろん、現在のマツダは台数を追わない戦略に切り替えたので以前と同じよ うには伸びなくて当然なのですが、とはいえ、 事業を回して長期に生き残っていくためには台数売って売上げも追わないと駄目です。
10年、20年先を見据えた研究開発をしつつ、足下の業績を安定・向上させることに、この提携は貢献してくれそうな印象を受けます。 印象論でしかありませんが、マツダがトヨタに食いつぶされるような印象は受けない会見内容でした。まずはマツダからは、エンジン供給、北米のサイオンのようなOEM供給 が中心になるのではないかと思います。マツダとトヨタでは顧客層が全然違う(ハイブリッドのアクセラが全く売れてないことからも分かると思います)ので、 当面は、共同開発車両なんかは想定してないでしょう。短期的には、マツダとしては今更ハイブリッドシステムの提供云々のメリットはあまり見いだしにくい。トヨタの方が、短期的には今回の提携で得るものが多いように見えます。
マツダとしては技術的なメリット享受よりも、例えばエンジンが売れる→工場稼働率が上がる→雇用創出・地域が潤う→売上げ向上→研究開発への投資余力向上、のような好循環を想定することが建設的かと思いますね。人材育成上のメリットもかなり強調されていました。マーケティングの鬼であるトヨタから学ぶこともあるでしょう(学び過ぎると80点主義の無難なクルマばかりになるので、そこは程々でいいと思いますが)。
・・・と前向きに捉えてみましたが、マツダの中の人の過去の発言を思い出す限り、生き残るために必要とはいえ心情としては相当複雑なところでしょうね(笑) 今後の動向を見守りたいと思います。
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